ゲット・アウトを考察【鼻血の意味やフラッシュが示すメッセージ】

「ゲット・アウト」気になる人

「ゲット・アウト」は2017年10月27日公開で、 3.7点 / 3,056件の評価（Yahoo！映画より）。

YouTube予告編

『ゲット・アウト』予告編

「ゲット・アウト」の中で、気になるポイントである「鼻血やフラッシュ」の考察も解説しました。

「ゲット・アウト」はマコなり社長が選ぶ「どんでん返し映画」の2位

今日はどうぞ、最後までお読みくださいね。

ゲット・アウトの映画監督は？

製作のジェイソン・ブラムと、監督・脚本のジョーダン・ピールがタッグを組んで、ホラー映画を撮りました。

ジョーダン・ピールは、「ゲット・アウト」が監督デビューのコメディアンで、元々、人種差別を扱うギャグが得意。

ジェイソン・ブラムは「ポスト・ロジャー・コーマン」の異名を持ちます。

YouTubeロジャー・コーマン監督作品予告編

映画『アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー』予告編

ジェイソン・ブラムの「ゲット・アウト」インタビュー

ジョーダン・ピール監督がホラーを撮ることについて

①：人種差別がテーマになっている

人種差別的な言動は、誰もが無意識にやりがち。

映画「ゲット・アウト」は「無意識下の人種差別」を浮き彫りに。

異人種間の恋愛をベースに映画が進行します。

②：人種差別の議論を促したい

ジョーダン・ピール監督は、「黒人の誰もが経験するのは、日々何らかの形で受ける人種差別だ」と語ります。

黒人・クリスは楽観してるが、彼女であるローズはピリピリしている。

映画の中でも、停車を求めた警官は「黒人のクリスだけ」尋問。

とはいえ、彼女・ローズと違い、黒人・クリスは怒らない。

ジョーダン・ピール監督は、警官に停車中に尋問されたクリス同様、差別には神経質ではない。

「黒人として慣れているのかもしれないが、差別に光を当てた点は素晴らしい」と、ジェイソン・ブラム監督は言います。

ゲット・アウトの考察と解説

①：彼女である白人・ローズに秘密

黒人・クリスと恋人ローズの関係について

轢き殺してしまった鹿の意味

冒頭、不穏な空気の中、クリスとローズの2人は道中で「鹿」を轢き殺してしまいます。

英語で「雄鹿」を指す「buck」の意味。

「buck」という言葉は、黒人男性への差別用語なので、クリスにとっては幸先の悪い恋人の実家訪問となります。

②：鼻血の意味

主人公クリスの職業はフォトグラファーです。

鼻血に至るストーリー

鼻血は「正気に戻ったサイン」です。

きっかけとなるカメラの「フラッシュ」が重要なアイテムとして機能。

鼻血を出したローガンは行方不明のアンドレ

「何かがおかしい」と感じたクリスはローズに「もう帰ろう」と。

庭では不可解なオークションが行われており、盲目の画商ジムが落札しました。

クリスがローガンの写真（鼻血を出した黒人）を友人のロッドに送ると、ロッドは、「ローガンは行方不明のアンドレという男ではないか」と疑う。

③：クリスが椅子に縛り付けられていた理由

クリスは、アーミテージ一家が祖父の代から「黒人の肉体に白人の脳を移植して永遠の精神・生命を手に入れるという手術」を続けてきたことを知ります。

クリスの催眠術対策

催眠術の合図となるカップをかき混ぜるスプーンの音を聞かないため、クリスは椅子の肘掛けから取った綿を耳に詰めました。

クリスを追いかけた人たち

正気に返ったウォルターは、クリスではなくローズにライフルを撃ちます。

④：アーミテージ家を脱出

ウォルターにローズの祖父の意識が復活すると、孫娘（＝ローズ）を撃った罪悪感から自分の頭を打ち抜いてしまう。

撃たれても生きていたローズは、ライフルでクリスを撃とうとしますが、クリスは抵抗してローズの首を絞めます。

ローズを殺すことはできず、クリスは手を緩めると、現場へパトカーに乗ったロッドが登場。

クリスは無実の罪で、裁かれることもありませんでした。

安堵するエンディング。

⑤：フラッシュが意味することは？

白人の脳を移植された黒人たちが、フラッシュで一瞬だけ正気に戻る様子が描かれていましたよね。

ポイントなのは、「スマートフォンのカメラ機能のフラッシュである」ということ。

ゲット・アウトが皮肉と言われる理由

2014年ニューヨークで白人警官が逮捕しようとした黒人男性を、「押さえつけたまま窒息死させてしまう」という事件が発生しました。

アメリカでは、類似の事件の抑止力として注目されるようになりました。

鼻血の描写は、現代の差別に対する「抗議活動のメタファー」とも解釈。

ゲット・アウトが怖い理由

「2つのゲット・アウト」が重なることで、のタイトルに隠された意味が明らかになります。

ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任（2017年1月20日）。

正しくフィクションが現実になった日から1ヶ月後に公開された「ゲット・アウト」でした。

ゲット・アウトにトランプ大統領は出てくるの？

トランプ大統領は映画には出てきません。

監督曰く、「オバマ大統領の時代に人種差別が終わった」と言うも、日常生活ではまだ残っていました。

トランプ大統領が当選したことで、差別は隠れていたと確信し、監督は「ラストシーン変えること」を決意。

監督は「映画だけでも救いを与えたかった」と、製作の裏側を明かしていました。

①：変更したラストシーンとは？

ラストシーンの最後までハラハラさせてくれる演出

アーミテージ家全員を倒した直後に、クリスの前に現れた警察車両を見て、「ここで逮捕されてしまうのか、きついな、、、」と思ったら、車からは親友のロッドが降りてきました。

DVD・ブルーレイには収録されているアナザー・エンディングを紹介。

別エンディング

クリスがアーミテージ家の近くの路上で最後にローズを殺し、車で立ち去ろうとした時、親友のロッドではなく警察が現れてクリスを逮捕してしまうというストーリー。

②：なぜバッドエンドの案？

ジョーダン・ピール監督によると、「アナザー・エンディング」をあえて精神的に辛いバッドエンドにした意味があります。

バッドエンドの意味

未だに黒人差別は存在しているのだ、ということを強烈に観客へと印象づけたかった。

まとめ | 人種差別に切り込んだ風刺的映画

今回は、「ゲット・アウトの映画監督は？鼻血やフラッシュの意味の考察が聞きたい。ゲット・アウトが怖い理由は？」というお悩みについてお答えしました。

今日は最後まで、お読みいただきありがとうございます。

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